お知らせ・ブログ
2024/08/30
パワーマグネット開発者ストーリー
「痛みの原因箇所が瞬時にわかる理由」〜試作品15回目でついに完成!マグネット誕生物語 11〜
前回のお話はこちら
アメリカでの解剖経験は、私に多くの益を与えました。
私は、カイロプラクティックの哲学や実技、さらに気功、足病学、また、中国の大連医科大学と提携していた6年制の学校で基礎医学や生化学、発生学など、多岐に渡って学んできました。
そして、実際の施術を通して得た知識も多数あります。
しかし、本当に体について理解したのは、解剖の経験でした。
そもそも解剖は、内臓や筋肉、神経等、そのものを傷つけないように取り出すためのものです。
ですから、至る所にある筋肉も傷つけないように取り出します。
そのための道具であるメスは、とても鋭利でよく切れるのですが、メスでスッと切れないものにぶち当たった時は衝撃的でした。
それはゴリッとした塊で、メスで切るとガリガリと音がします。
これが、前回でお話しした癒着ですね。
さて、癒着を見ることができたのは、大きな益ですが、それだけではありません。
メスを握っている感覚、反対側の手で体を上から押している感覚、そしてメスで切っていく動きの感覚など、手から入ってくるさまざまな情報を得ました。
さらに脂肪層の中にある筋膜やそこにある血管やリンパ、神経の太さや、それらがどう絡み合っているかも理解できました。
つまり、解剖によって、3Dで動く理解を得たのです。
今まで平面でしかなかった知識が、立体として奥行きを持てたのです。
私にはたくさん知識を習得してきたので、それを延長させて体の奥行きのイメージを作ってきました。
しかしそれはただのイメージでしかなく、本当の体は全く違うものでした。
ですから、今までの僕の知識を「点」と考えると、この経験で点と点がつながり「線」になったのです。
まさに「百聞は一見にしかず」。
また、内臓の構造も学びますから、体への理解はさらに深まりました。
例えば、「腹膜」について。
臓器の周りには隙間があり、そこには筋膜や腹膜、横隔膜といった膜といわれる筋みたいなものがあります。
腹膜は、ある箇所が炎症するとそれを守るために膜が移動して、それを覆います。
カーテンを開けておく時にタックルで窓のはじに寄せていますよね。
腹膜をカーテンに例えると、何もない時はある箇所に寄せられてヒダ状になっていますが、炎症が起きたら、カーテンを閉めるように腹膜がそこに移動していきます。
ですから、腹膜を剥がしたことで、「ヒダがここにあるから、こう移動するんだな」といった知識も得られたのです。
腹膜が炎症によって移動するという、この知識は、まさにその場の解剖学のスペシャリストから、学科を学んでいるときに知りました。
これによって、痛みの程度が理解できるようにもなりました。
こうしたことから、施術でお客様の体に触れた時、その方の体の中までも感じ取ることができるようになり、「ここが痛い」とおっしゃった時は、その箇所の構造がイメージできるので、痛みの根源がどこにあるかが瞬時に完全にわかるようになりました。
これが、痛みの箇所を触っただけで、根本原因の箇所がわかる理由ですね。
解剖の経験がある方と話をすると、彼らはとても自信に満ちており、見立てに確実性を持っています。
ですので、体の知るには知識と実践、そして解剖で立体構造を学ぶといった、あらゆる方向から体を知ることが重要です。
私の体への理解はこれらの経験により、触れたり見たりするだけで、瞬時にいろいろなことが知覚できるまでに養われました。
これらが土台となり、パワーマグネットの開発につながっていくのです。